
はじめに
羊毛フェルトで小さなマスコットを作るとき、目の取り付けで困ったことはありませんか?
羊毛フェルトのマスコットには、市販のプラスチック製の刺し目(差し目)を使うことが多いと思います。
ところが、市販の刺し目は、目の部分だけでなく、裏側にある棒状の部分もプラスチック製で、意外と太さがあります。
そのため、羊毛に目打ちで穴を開ける際にも大きな穴が必要になり、小さなマスコットでは、周囲の羊毛が押し広げられて形が崩れてしまうことがあります。
そこで今回は、刺し目の棒の部分を細い針金に置き換えた、オリジナルの刺し目を自作してみました。
使用したのは、フラワー用の直径0.4mmのワイヤーです。
目の部分については、次の2つの方法を試してみました。
- 樹脂粘土で目の形を作る方法
- PCで描いたイラストを印刷し、レジンでコーティングする方法
ただし、今回紹介する方法は、一般的な手芸用品だけで手軽に作れるものではありません。
製作にあたっては、目の形を整えたり、細い針金を垂直に固定したりするための専用の補助ツール(土台)を、3Dプリンターで自作しています。
そのため、3Dプリンターを使用しない方が、この記事の手順だけを見てそのまま再現するのは難しいと思います。
どちらかというと、既製品の使いにくさを解消するために、自分なりに考えて試作した、オリジナルの製作方法の紹介です。
万人向けの作り方ではありませんが、羊毛フェルトの道具を自作したい方や、3Dプリンターを活用したハンドメイドに興味がある方にとって、何かのヒントになればと思います。
今回は、実際に使用した補助ツールや製作工程、完成した刺し目をシマエナガの羊毛フェルト人形に取り付けた様子も紹介します。
なぜ刺し目を自作しようと思ったのか?
市販の刺し目は手軽に使えて便利ですが、小さな羊毛フェルト作品には少し扱いにくいと感じていました。
その理由は、目の裏側にある棒の部分です。
市販品は目の部分と棒の部分が一体になったプラスチック製で、棒にもある程度の太さがあります。
そのため、取り付けるときには、目打ちで羊毛に穴を開ける必要があります。
しかし、小さなマスコットに太い穴を開けると、次のような問題が起こります。
- 穴を開けた部分の羊毛が押し広げられる
- 目の周囲の形が崩れてしまう
- 小さな作品ほど、目の位置やバランスが変わりやすい
そこで考えたのが、目の裏側を細い針金にする方法です。
今回使用したのは、直径0.4mmのフラワー用ワイヤーです。
これなら、市販の刺し目よりも細い穴で取り付けられるため、小さなマスコットにも使いやすくなるのではないかと考えました。
目の部分についても、自分で形やデザインを変えられるように、2種類の作り方を試してみました。
今回使用した材料・道具
今回の製作で使用したものを紹介します。
- フラワー用ワイヤー(直径0.4mm)
- 樹脂粘土
- UVレジン液
- UVライト
- つまようじ
- ハサミ
- 写真用プリント用紙
- PC(イラスト作成用)
- 3Dプリンターで作成した専用の土台
3Dプリンターで作った土台は、目の部分を半球状に成形したり、針金を垂直に固定したりするために使用します。
細かい作業が多いため、土台があると作業しやすくなります。
1.樹脂粘土を使ったオリジナル刺し目の作り方
まずは、樹脂粘土を使って目の部分を作る方法です。
目そのものを樹脂粘土で成形するので、目の大きさや形を調整できます。
3Dプリンターで作った土台に樹脂粘土をセットする
最初に、3Dプリンターで作成した土台を用意します。
この土台には、目の部分を半球状に成形するための型を作ってあります。
次に樹脂粘土を型に合わせてセットし、目の形を整えます。

針金をセットする
次に、フラワー用ワイヤー(0.4mm)をセットします。
目の裏側から針金が垂直に立つように配置します。
このとき、完成したときに目の中心から針金が伸びるように位置を調整します。
針金と樹脂粘土をレジンで接着する
針金を固定するために、樹脂粘土と針金の接合部分にUVレジン液を付けます。
接合部分は非常に細かいため、つまようじの先に少量のレジン液を付けて作業しました。
レジン液が針金と樹脂粘土の接合部分に行き渡るようにします。
その後、UVライトを照射して硬化させます。
目の表面をレジンでコーティングする
針金がしっかり固定できたら、今度は目の部分にレジン液を付けます。
目の表面にレジン液を広げ、硬化させます。
再びUVライトを照射し、レジンを硬化させます。
これで、目の表面に光沢のある仕上がりになります。
オリジナルの樹脂粘土製刺し目の完成!
硬化したら、3Dプリンター製の土台から取り外します。
これで、樹脂粘土を使ったオリジナル刺し目の完成です。
シマエナガの羊毛マスコットに取り付けてみた
実際に、作成した刺し目をシマエナガの羊毛フェルト人形に取り付けてみました。

細いワイヤーを使っているため、小さな作品にも取り付けやすくなりました。
2.イラストを使ったオリジナル刺し目の作り方
次は、PCで描いたイラストを使って目を作る方法です。
こちらは樹脂粘土で目の形を作る必要がなく、イラストを使うことで、好みの目のデザインを再現できるのが特徴です。
目の色や模様、表情なども自由に変更できます。
PCで描いた目を写真用紙に印刷する
まず、PCで目のイラストを作成します。
今回は、羊毛フェルトのマスコットに使用する小さな目を描きました。
作成したイラストを写真用のプリント用紙に印刷します。
普通のコピー用紙ではなく、写真用のプリント用紙を使用しました。
目の部分をハサミで切り取る
印刷した用紙から、目の部分をハサミで切り取ります。
小さなパーツなので、輪郭に沿って丁寧に切り取ります。
レジンを垂らして半球状にする
切り取った目の表面にUVレジン液を垂らします。
今回のポイントは、レジン液を平らに広げるのではなく、しずくのように半球状に盛ることです。

レジン液が片側に流れないように注意しながら形を整えます。
その後、UVライトを照射して硬化させます。
これで、イラストの目に透明感と立体感が生まれます。
3Dプリンター製の土台に目をセットする
レジンを硬化させたら、目のパーツを取り出します。
次に、3Dプリンターで作った土台を用意します。
このとき、目は裏返した状態でセットします。
針金を取り付けるため、目の裏側が上になるように配置します。
目の中央部分に、フラワー用ワイヤー(0.4mm)を垂直にセットします。
完成したときに、目の中心から針金が伸びるように位置を調整します。
針金と目の接合部分をレジンで固定する
針金と目の接合部分にUVレジン液を付けます。

こちらも細かい作業になるため、つまようじを使って少量ずつレジン液を付けていきます。
接合部分にレジン液が行き渡ったら、UVライトを照射して硬化させます。
イラストを使ったオリジナル刺し目の完成!
レジンが硬化したら、土台から取り外します。
これで、イラストを使ったオリジナル刺し目の完成です。
シマエナガの羊毛マスコットに取り付けてみた
完成した刺し目を、シマエナガの羊毛フェルト人形に取り付けてみました。

イラストを使っているので、樹脂粘土とは違った目の表現ができます。
デザインをPCで変更すれば、いろいろな表情の目を作れるのも面白いところです。
2種類の自作刺し目を作ってみて
今回は、樹脂粘土を使った方法と、イラストをレジンでコーティングする方法の2種類を試してみました。
それぞれに特徴があります。
樹脂粘土を使う方法
- 目の形や大きさを自由に調整しやすい
- 手作りならではの立体感を出せる
- 粘土を成形する作業が必要
イラストを使う方法
- PCで描いたデザインをそのまま目にできる
- 色や模様、表情を自由に変更できる
- 印刷した目を切り取る細かい作業が必要
どちらの方法も、裏側に0.4mmのワイヤーを取り付けることで、市販のプラスチック製の刺し目とは違った形に仕上げることができました。
まとめ:市販品で困ったことを、自分なりの工夫で解決してみる
今回の自作刺し目は、一般的な羊毛フェルトの作り方とは少し違う、かなり独自の方法だと思います。
3Dプリンターで土台を作る必要があるため、誰でも簡単に再現できる方法ではありません。
それでも、市販の刺し目の棒が太く、小さな羊毛マスコットに取り付けにくいという悩みから、今回の方法を考えてみました。
樹脂粘土で目を作る方法も、PCで描いたイラストを使う方法も、自分の作りたい作品に合わせて目を工夫できるのが魅力です。
羊毛フェルトは、材料や道具を少し工夫するだけで、作品作りの幅が広がります。
市販品をそのまま使うだけでなく、「もっと使いやすくできないかな?」「自分の作品に合うものを作れないかな?」と考えてみるのも、ハンドメイドの楽しみの一つですね。
今回の方法が、同じように小さな羊毛マスコットを作っている方の何かの参考になればうれしいです。
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