
はじめに
工事担任者「総合通信」の試験では、ベン図を使った集合の問題が出題されます。
特に、A・B・Cの3つの集合を使い、論理積(AND)や論理和(OR)、否定(NOT)を求める問題は、毎年似たような形式で出題される傾向があります。
こうした問題は、基本的な記号の意味とベン図の読み取り方を理解しておけば、十分に得点を狙える分野です。
毎年似たような問題が出題されるので、解き方をしっかり覚えて、確実に点数を取れるようにしましょう!
この記事では、論理積・論理和・否定の基本から、実際の試験に近い3つの集合を使った応用問題まで、例題を交えて分かりやすく解説します。
ベン図とは?
ベン図とは、複数の集合の関係を円などの図形で表したものです。
集合とは、ある共通の条件によってまとめられたものの集まりです。
例えば、次のような2つの集合を考えてみましょう。
- 集合A:電気の資格を持っている人
- 集合B:通信の資格を持っている人
この場合、AとBの両方に含まれる人もいれば、Aだけに含まれる人、Bだけに含まれる人、どちらにも含まれない人もいます。
ベン図を使えば、このような関係を視覚的に整理できます。

覚えておきたい集合の基本記号4つ
試験問題を解くために、まずは次の4つの記号を覚えましょう。
| 記号 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| (A ∩ B) | AかつB | AとBの両方に含まれる部分 |
| (A ∪ B) | AまたはB | AまたはBの少なくとも一方に含まれる部分 |
| (Ā) | Aの否定 | Aに含まれない部分 |
| (A-B) | AからBを除く | Aに含まれ、Bには含まれない部分 |
積集合:A ∩ B
「AかつB」を意味します。
AとBの両方に共通して含まれる部分です。
例えば、電気の資格と通信の資格の両方を持っている人が該当します。
和集合:A ∪ B
「AまたはB」を意味します。
Aだけ、Bだけ、AとBの両方に含まれる部分をすべて合わせた範囲です。
注意したいのは、AとBの両方に含まれる部分も和集合に含まれることです。
補集合:Ā
「Aではない」という意味です。
全体集合Uの中で、Aに含まれていない部分を表します。
なお、補集合を表す記号には、(\bar{A}) や (A^c) などがあります。
差集合:A − B
Aには含まれているものの、Bには含まれていない部分です。
つまり、Aの範囲からAとBの重なっている部分を取り除いた領域になります。
試験で重要!ド・モルガンの法則
集合の問題で覚えておきたいのが、ド・モルガンの法則です。
次の2つの公式を覚えましょう。
公式①

「AまたはB」の否定は、「Aでない」かつ「Bでない」になります。
公式②

「AかつB」の否定は、「Aでない」または「Bでない」になります。
覚え方のポイント
ド・モルガンの法則は、次の2点を押さえておけば理解しやすくなります。
- 否定を表すバーが付くと、AND(∩)とOR(∪)が入れ替わる。
- 否定の範囲は、それぞれの集合にも付ける。
つまり、否定すると「かつ」と「または」が逆になると覚えておきましょう。
試験では、公式をそのまま覚えるだけでなく、式を変形できるようにしておくことが大切です。
【例題】3つの集合の論理式とベン図
次の問題に答えなさい。
図①~図⑤に示すベン図において、A、BおよびCが、それぞれの円の内部を表すとき、斜線部分を表す論理式が次の条件となるベン図はどれか。

論理式


解答
正解:図③
解説
この問題を解くポイントは、論理式を2つに分けて考えることです。
まず、論理式の意味を確認しましょう。
| 論理式の表現 | 意味 |
|---|---|
| Aではない | Aの円の外側 |
| A AND B | AとBの両方に含まれる部分 |
| A OR B | AまたはBのどちらかに含まれる部分 |
| AND | 論理積(両方の条件を満たす) |
| OR | 論理和(どちらかの条件を満たす) |
1つ目の条件を確認する
(Aではない AND B AND C)
これは、次の3つの条件をすべて満たす部分です。
- Aには含まれない
- Bには含まれる
- Cには含まれる
つまり、BとCが重なっている部分のうち、Aには含まれていない部分です。
2つ目の条件を確認する
(A AND Bではない AND C)
こちらも同じように考えます。
- Aには含まれる
- Bには含まれない
- Cには含まれる
つまり、AとCが重なっている部分のうち、Bには含まれていない部分です。
2つの条件を合わせる
最後に、2つの条件をOR(論理和)で結びます。
ORは「どちらか一方、または両方」という意味です。
したがって、
- BとCが重なり、Aには含まれない部分
- AとCが重なり、Bには含まれない部分
この2か所を塗りつぶした図が正解です。
よって、正解は図③となります。
試験対策のポイント
3つの集合のベン図では、次の3つを意識すると解きやすくなります。
- **AND(論理積)**は、指定された集合が重なっている部分を探す。
- **OR(論理和)**は、指定された条件に該当する部分をすべて選ぶ。
- **NOT(否定)**は、指定された集合の外側を意味する。
特に注意したいのは、3つの円が重なる中央部分です。
例えば「A AND B AND C」なら中央部分ですが、「Aではない AND B AND C」の場合は、中央部分は含まれません。
中央部分を含むかどうかを見極めることが、3つの集合の問題を解く重要なポイントです。
【例題】3つの集合の論理和を求める問題
問題
次の図1、図2および図3に示すベン図において、A、BおよびCが、それぞれの円の内部を表すとき、図1、図2および図3の斜線部分を表すそれぞれの論理式の論理和は、次のうちどれか。

解答群
① A・B・C
② A・B + A・C + B・C
③ A + B + C
④ A・B + C
⑤ A・C + B・C
解答
正解:②
A・B + A・C + B・C
解説
この問題では、まず図1~図3の斜線部分が、それぞれどの論理式を表しているのかを確認します。
図1の論理式
図1では、AとBの円が重なっている部分が斜線になっています。
したがって、論理積で表すと、
A・B
となります。
図2の論理式
図2では、AとCの円が重なっている部分が斜線になっています。
したがって、
A・C
となります。
図3の論理式
図3では、BとCの円が重なっている部分が斜線になっています。
したがって、
B・C
となります。
3つの論理式を論理和で結ぶ
問題では、図1、図2、図3の斜線部分を表す論理式の「論理和」を求めるように指定されています。
論理和は「+」で表します。
それぞれの論理式をつなげると、
A・B + A・C + B・C
となります。
したがって、正解は ② です。
試験で覚えておきたいポイント
今回の問題で重要なのは、論理積と論理和の違いです。
| 記号 | 意味 | ベン図での考え方 |
|---|---|---|
| ・ | 論理積(AND) | 両方の円が重なる部分 |
| + | 論理和(OR) | どちらかの条件を満たす部分 |
| 上線 | 否定(NOT) | その集合に含まれない部分 |
特に、3つの集合が重なる中央部分には注意が必要です。
今回の問題では、図1・図2・図3のすべてに中央部分が含まれています。しかし、論理和で結んだ場合、中央部分を何度も数えるわけではありません。
論理和は、指定された条件のうち、1つでも満たしていれば該当するという考え方です。
このように、まず各図の斜線部分を個別の論理式に置き換え、最後に論理和や論理積で結びつけると、複雑な問題も整理して解くことができます。
【例題】3つの集合の論理積を求める問題
問題
次の図1、図2および図3に示すベン図において、A、BおよびCが、それぞれの円の内部を表すとき、図1、図2および図3の斜線部分を表すそれぞれの論理式の論理積は、次のうちどれか。

解答群
① A+B+C
② A・B+A・C+B・C
③ A・B・C
④ A・B
⑤ A+B・C
解答
正解:③
A・B・C
解説
この問題では、図1~図3の斜線部分が、それぞれどの論理式を表しているのかを確認します。
図1の論理式
図1では、AとBの円が重なっている部分が斜線になっています。
したがって、論理式は、
A・B
となります。
図2の論理式
図2では、AとCの円が重なっている部分が斜線になっています。
したがって、論理式は、
A・C
となります。
図3の論理式
図3では、BとCの円が重なっている部分が斜線になっています。
したがって、論理式は、
B・C
となります。
3つの論理式を論理積で結ぶ
問題では、図1、図2、図3の斜線部分を表す論理式の「論理積」を求めるように指定されています。
論理積は「・」で表します。
それぞれの論理式をつなげると、
(A・B)・(A・C)・(B・C)
となります。
ここで、3つの条件をすべて満たす部分を考えます。
- 図1の条件:AとBに含まれる
- 図2の条件:AとCに含まれる
- 図3の条件:BとCに含まれる
この3つすべてに共通するのは、A・B・Cの3つの円が重なっている中央部分です。
したがって、
A・B・C
となります。
よって、正解は③です。
試験で覚えておきたいポイント
| 論理演算 | 記号 | 意味 |
|---|---|---|
| 論理積(AND) | ・ | すべての条件を満たす部分 |
| 論理和(OR) | + | いずれかの条件を満たす部分 |
| 否定(NOT) | 上線 | その集合に含まれない部分 |
今回のように、複数のベン図の論理積を求める問題では、それぞれの斜線部分が重なっている共通領域を探すことがポイントです。
前回の論理和の問題と合わせて、次の違いを覚えておきましょう。
- 論理和:条件に該当する部分を合わせる。
- 論理積:すべての条件に共通する部分を探す。
この違いを理解しておけば、3つの集合を使ったベン図の問題にも対応しやすくなります。
【応用例題】3つの集合の論理積を求める問題
問題
次の図1、図2および図3に示すベン図において、A、BおよびCが、それぞれの円の内部を表すとき、3つの図の斜線部分を表す論理式の論理積は、次のうちどれか。

解答群
① A・B・C
② A・C・B̅
③ A・C + B̅
④ A・B・C̅
⑤ (A+B)・C・B̅
解答
正解:②
A・C・B̅
解説
まず、図1~図3の斜線部分を、それぞれ論理式に置き換えます。
図1の論理式
図1では、AとCの円が重なっている部分が斜線になっています。
したがって、
A・C
となります。
図2の論理式
図2では、Aの円の内部で、Bの円に含まれない部分が斜線になっています。
つまり、Aに含まれ、Bには含まれない部分です。
したがって、
A・B̅
となります。
図3の論理式
図3では、Cの円の内部で、Bの円に含まれない部分が斜線になっています。
したがって、
C・B̅
となります。
3つの論理式の論理積を求める
問題では、3つの論理式の論理積を求めるように指定されています。
それぞれの式を並べると、
(A・C)・(A・B̅)・(C・B̅)
となります。
ここで、3つの条件をすべて満たす部分を考えます。
- Aに含まれる
- Cに含まれる
- Bには含まれない
つまり、AとCが重なっている部分のうち、Bの円には含まれない部分です。
したがって、答えは、
A・C・B̅
となります。
正解は②です。
試験対策のポイント
今回の問題で重要なのは、否定を含む論理式の読み取りです。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| A・B | AとBの両方に含まれる |
| A+B | AまたはBに含まれる |
| B̅ | Bに含まれない |
| A・B̅ | Aに含まれ、Bには含まれない |
特に、次の2つを区別しましょう。
- A・B:AとBが重なっている部分
- A・B̅:Aの内部で、Bと重なっていない部分
否定の記号が付いている集合は、その円の外側を選ぶという点が重要です。
今回のように、3つの図の斜線部分を読み取り、最後に共通部分を探す問題では、最初に各図の論理式を正確に書き出すことが攻略のコツです。
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