
「株価が上がり続けているけれど、そろそろ暴落するのでは?」
「もし保有している株や投資信託が大きく値下がりしたら、どうすればいいのだろう?」
株式投資をしていると、相場の先行きが不安になることがあります。
特に、株価が急上昇した後や、経済ニュースで景気後退や金融不安が取り上げられるようになると、保有資産を売却した方がよいのか迷う人も多いでしょう。
しかし、株価の暴落がいつ起きるのかを正確に予測することは、専門家でも簡単ではありません。
大切なのは、暴落を予想して売買することではなく、突然の株価下落が起きても慌てずに対応できる準備をしておくことです。
あらかじめ資金管理や投資ルールを決めておけば、恐怖から慌てて売却したり、無理な買い増しをしたりする失敗を防ぎやすくなります。
この記事では、株価暴落が心配になったときに確認したい5つの対策と、投資初心者が避けるべき4つのNG行動を解説します。
株価暴落は予測できる?まず知っておきたいこと
株価が大きく上昇していると、「そろそろ天井なのでは?」と考えたくなるものです。
しかし、株価が割高に見えるからといって、すぐに暴落するとは限りません。
反対に、特に問題がなさそうに見える相場でも、次のような出来事をきっかけに急落することがあります。
- 金利の急激な上昇
- 景気後退や企業業績の悪化
- 金融機関の経営不安
- 戦争や地政学的リスクの拡大
- 投資家の不安による売りの連鎖
こうした要因が複雑に絡み合うため、暴落の時期や下落幅を正確に予測するのは困難です。
そのため、暴落の兆候を探して投資資金をすべて現金化するよりも、普段から下落に耐えられる資産配分を考えておくことが重要です。
株価暴落時にやってはいけない4つのNG行動
まずは、株価が急落したときに避けたい行動を確認しておきましょう。
1. 恐怖に負けて慌てて売却する
株価が急落すると、保有資産の評価額が一気に減少します。
例えば、100万円投資していた資産が20%下落すると、評価額は80万円になります。
このような状況になると、「これ以上損をしたくない」と考えて慌てて売却したくなるかもしれません。
しかし、短期的な値下がりだけを理由に売却すると、その後の株価回復による利益を得られなくなる可能性があります。
これを一般的に「狼狽売り」と呼びます。
もちろん、投資先の企業の業績が悪化していたり、当初の投資理由が崩れていたりする場合は、売却を検討する必要があります。
大切なのは、株価が下がったという理由だけで感情的に判断しないことです。
2. NISAなどの積立投資を慌てて中断する
長期的な資産形成を目的としてNISAなどで積立投資をしている場合、株価が下がったからといって、すぐに積立を止める必要はありません。
毎月一定額を積み立てる方法では、価格が高いときには少ない口数を、価格が安いときには多くの口数を購入できます。
これがドルコスト平均法の考え方です。
例えば、毎月1万円ずつ投資する場合を考えてみましょう。
- 基準価額が高いとき:購入できる口数は少ない
- 基準価額が安いとき:購入できる口数は多い
このように、価格が下がっている期間も積立を続けることで、購入単価を平準化する効果が期待できます。
ただし、ドルコスト平均法でも元本割れを防げるわけではありません。
生活費が不足していたり、投資額が自分のリスク許容度を超えていたりする場合は、積立金額を減らすことも検討しましょう。
3. 下落相場で安易に空売りを始める
「株価が下がるなら、空売りで利益を狙えばいいのでは?」
そう考える人もいるかもしれません。
空売りとは、株式を借りて先に売却し、株価が下がったところで買い戻すことで利益を狙う取引方法です。
しかし、初心者には非常にリスクの高い取引です。
通常の現物取引では、購入した株価がどれだけ下がっても、株価が0円になった場合の損失は原則として投資金額までです。
一方、空売りは株価が予想に反して上昇すると損失が発生します。
例えば、1,000円の株を空売りした後、株価が2,000円になれば、1株あたり1,000円の損失です。
さらに株価が3,000円、4,000円と上昇すれば、損失も膨らみ続けます。
株価の上昇には理論上の上限がないため、空売りの損失にも上限がありません。
暴落を予想して空売りを始めたものの、相場が急反発して大きな損失を抱える可能性もあります。
下落相場だからといって、簡単に利益を得られるわけではありません。
4. 信用取引で無理な買い増しをする
株価が大きく下がると、「安くなった今が買い時だ」と考えることがあります。
しかし、信用取引を利用して手元資金以上の買い増しをするのは危険です。
信用取引では、証券会社に預けた保証金を担保にして、その何倍もの金額の取引ができます。
少ない資金で大きな利益を狙える反面、予想に反して株価が下落すると損失も大きくなります。
特に注意したいのが「追証(おいしょう)」です。
追証とは、信用取引で損失が膨らみ、保証金維持率が証券会社の定める基準を下回った場合などに、追加の保証金を差し入れる必要が生じることです。
期限までに必要な保証金を入金できなければ、保有している建玉が強制的に決済されることがあります。
さらに、相場が急激に変動した場合には、保証金を超える損失が発生し、追加の支払いが必要になる可能性もあります。
暴落時に信用取引で無理な買い増しをすると、資産を増やすどころか、生活資金まで失う危険があります。
投資初心者は、まず現物取引を基本に考えることをおすすめします。
株価暴落に備えて今すぐやるべき5つの対策
では、相場が不安定になってきたとき、具体的に何をすればよいのでしょうか。
ここからは、投資初心者でも実践しやすい5つの対策を紹介します。
1. 生活防衛資金を確保する
最初に確認したいのが、生活費に使う現金です。
投資に慣れてくると、手元にある資金の多くを株式や投資信託に回したくなることがあります。
しかし、生活費まで投資に回してしまうと、株価暴落時に急な出費が発生した場合、値下がりした資産を売却せざるを得なくなります。
そのため、投資資金とは別に生活防衛資金を確保しておきましょう。
目安としては、生活費の3〜6ヶ月分程度を現金で保有する方法があります。
収入が不安定な人や、家族を養っている人などは、さらに余裕を持たせることも検討しましょう。
生活に必要なお金を投資に回さないことが、暴落時の精神的な余裕にもつながります。
2. 保有している株や投資信託のリスクを確認する
自分が保有している金融商品について、どのようなリスクがあるのかを確認しましょう。
例えば、同じ株式投資でも、個別株とインデックスファンドではリスクの性質が異なります。
個別株の場合は、企業の業績や財務状況、将来性などが株価に大きく影響します。
一方、インデックスファンドの場合は、投資対象となる市場全体の値動きや、国・地域の経済状況などが影響します。
確認しておきたいポイントは次のとおりです。
個別株の場合
- 企業の売上や利益は安定しているか
- 借入金が増えすぎていないか
- 将来の成長性に変化はないか
- 当初の投資理由が崩れていないか
投資信託の場合
- どの国や地域に投資しているか
- 株式や債券など、どの資産に投資しているか
- 特定の業種や企業に偏っていないか
- 自分の投資期間や目的に合っているか
株価が下がったという結果だけを見るのではなく、なぜ下がっているのか、保有し続ける理由があるのかを確認することが重要です。
3. 現金と投資資産の割合を見直す
暴落に備えるうえで、現金と投資資産のバランスも重要です。
例えば、資産のほとんどを株式に投資している人は、株価が大きく下落すると資産全体への影響も大きくなります。
一方、現金を一定割合保有していれば、株価が下落しても資産全体の値下がりを抑えやすくなります。
例えば、次のような資産配分を考えてみましょう。
- 株式・投資信託:70%
- 現金:30%
これはあくまで配分の一例であり、誰にとっても最適な割合というわけではありません。
投資期間や収入、年齢、家族構成、リスク許容度によって適切な割合は変わります。
また、現金を多く保有すれば必ず安心というわけでもありません。現金にはインフレによって実質的な購買力が低下するリスクもあります。
自分がどの程度の値下がりまで受け入れられるのかを考え、無理のない資産配分にしておきましょう。
4. 暴落時の買い増し・売却ルールを決める
株価が急落している最中は、冷静な判断が難しくなります。
そのため、相場が落ち着いているときに、自分なりの投資ルールを決めておきましょう。
例えば、次のようなルールです。
買い増しのルール
- 生活防衛資金には手を付けない
- 追加投資に使える金額を決めておく
- 一度に全額を投入せず、複数回に分けることを検討する
売却のルール
- 投資した理由が崩れた場合は保有を見直す
- 企業の業績や財務状況が悪化した場合は再評価する
- 資産配分が当初の計画から大きく外れた場合は調整する
大切なのは、株価が何%下がったら必ず買う、何%下がったら必ず売るという単純なルールに頼らないことです。
投資対象や資金状況によって、適切な判断は変わります。
あらかじめ自分の考えを整理しておけば、相場が荒れているときにも感情に振り回されにくくなります。
5. SNSやニュースを見すぎない
株価が急落すると、SNSやYouTubeなどでは不安をあおる情報が増えることがあります。
「株式市場はもう終わり」「今すぐ全部売却するべき」「これから大暴落が始まる」といった極端な意見を目にすることもあるでしょう。
しかし、他人の予想が必ず当たるわけではありません。
情報を集めることは大切ですが、必要以上にニュースを追い続けると、かえって冷静な判断ができなくなることがあります。
確認する情報は、できるだけ信頼できる情報源を中心にしましょう。
- 企業の決算発表や適時開示
- 金融庁などの公的機関の情報
- 証券取引所の公式情報
- 保有している投資信託の運用報告書
毎日の株価に一喜一憂するのではなく、自分の投資方針に照らし合わせて必要な情報を確認することが大切です。
まとめ:暴落を予測するより、暴落に備えることが大切
株価暴落は、いつ起きるのか正確に予測することが難しいものです。
そのため、暴落のタイミングを当てようとするよりも、普段から資金管理や投資方針を整えておくことが重要です。
今回紹介した5つの対策を振り返ってみましょう。
- 生活防衛資金を確保する
- 保有している株や投資信託のリスクを確認する
- 現金と投資資産の割合を見直す
- 暴落時の買い増し・売却ルールを決める
- SNSやニュースに振り回されない
また、暴落時には慌てて売却することや、安易に空売り・信用取引に手を出すことも避けたい行動です。
株価が大きく下がると、安く買えるチャンスだと考える人もいます。
確かに、十分な資金と長期的な視点があれば、下落局面が投資機会になる場合もあります。
しかし、株価がいつ回復するかは誰にもわかりません。投資対象によっては、長期間回復しなかったり、価値が大きく失われたりする可能性もあります。
暴落時に一発逆転を狙うのではなく、暴落が起きても生活や資産形成を続けられる状態を作っておくこと。
これが、長く投資を続けるために大切な考え方です。
無理のない資金計画と自分なりの投資ルールを持ち、冷静に資産形成に取り組んでいきましょう。
※この記事は一般的な投資知識の解説を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断は、ご自身の資産状況やリスク許容度を踏まえて行ってください。
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