
「子どもの将来のためにジュニアNISAで資産形成をしてきたけれど、子どもが18歳になったときに贈与税はかかるの?」
「運用で資産が大きく増えていたら、渡すときに税金がかかるのでは?」
このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、すでに子どもの財産となっているNISA口座の資産を、子ども本人が管理するようになるだけであれば、通常、新たな贈与税はかかりません。
ただし、親や祖父母が子どもの口座に資金を入れる際には、贈与税に注意が必要です。また、口座が子ども名義であることだけで、必ず贈与が成立しているとは限りません。
この記事では、こどもNISA・ジュニアNISAと贈与税の関係、年間110万円の基礎控除、名義預金の注意点についてわかりやすく解説します。
こどもNISA・ジュニアNISAの資産を子どもに渡すと贈与税はかかる?
まず、現在の制度を整理しておきましょう。
ジュニアNISAは2023年末で新規投資が終了しました。一方、2027年1月からは、0~17歳の未成年者もNISAのつみたて投資枠を利用できる制度が始まります。
この記事では、従来のジュニアNISAと、2027年からの未成年者向けNISAを区別して説明します。
すでに子どもの財産になっている場合、受け渡し時の贈与税は原則不要
親や祖父母が資金を子どもに贈与し、その贈与が成立したうえで子どもの財産としてNISA口座で運用している場合、その資産は原則として子どものものです。
そのため、子どもが成長して自分で口座を管理するようになっても、既存の財産の管理者が変わるだけであれば、改めて贈与税がかかるわけではありません。
ただし、子ども名義の口座を作っただけで、必ず贈与が成立するとは限りません。実際に贈与が行われたかどうかは、資金の管理状況や贈与の実態などを踏まえて判断されます。
贈与税に注意したいのは資金を渡すとき
子どものNISA口座に投資資金を入れる場合、親や祖父母から子どもへの贈与に該当することがあります。
ここで確認したいのが、贈与税の基礎控除です。
年間110万円の基礎控除とは?
暦年課税では、1月1日から12月31日までの1年間に受け取った贈与財産の合計額から、原則として110万円の基礎控除を差し引いて贈与税を計算します。
つまり、その年に受け取った贈与財産の合計額が110万円以下であれば、原則として贈与税はかからず、贈与税の申告も不要です。
ただし、相続時精算課税を選択している場合など、課税方法によって取り扱いが異なることがあります。
ほかの贈与と合算する必要がある
注意したいのは、110万円の基礎控除が、贈与をした人ごとではなく、原則として贈与を受けた人ごとに適用される点です。
例えば、ある年に次の贈与を受けたとします。
- 親からの贈与:80万円
- 祖父母からの現金贈与:50万円
- 合計:130万円
この場合、暦年課税であれば、基礎控除110万円を差し引いた20万円が課税価格となります。
ただし、実際の贈与税額は、贈与者との関係や受贈者の年齢などに応じた税率で計算します。
なお、通常必要と認められる生活費や教育費を必要な都度、直接その用途に充てるために受け取った場合などは、贈与税がかからないことがあります。一律にすべての金銭の受け取りが合算対象になるわけではありません。
子ども名義の口座でも「名義預金」に注意
子どもの資産形成で、特に気をつけたいのが名義預金です。
例えば、親が子ども名義の銀行口座を作り、そこにお金を貯めていても、実際には親が資金を管理し、子どもは口座の存在すら知らない場合があります。
このようなケースでは、口座の名義が子どもであっても、実質的には親の財産と判断される可能性があります。
一方、子どもへの贈与が成立し、子どもの財産として管理されている場合には、親が資金を出したという理由だけで、直ちに名義預金になるわけではありません。
将来の相続トラブルや税務上の問題を避けるためにも、次の点を意識しましょう。
- 贈与する金額や時期を明確にする
- 贈与の事実が確認できる記録を残す
- 子どもの財産と親自身の財産を区別して管理する
- 子どもの年齢や理解度に応じて、資産について説明する
高額な贈与や長期間にわたる資金移動については、税理士などの専門家に相談すると安心です。
NISAの運用で資産が増えた場合、贈与税はどうなる?
「子どもが成人するまでに運用資産が1,000万円に増えていたら、贈与税がかかるのでは?」
このような疑問もあるでしょう。
NISAの非課税制度では、所定の条件を満たす口座内の売却益や配当金などが非課税となります。
例えば、子どもに贈与した100万円をNISAで運用し、将来300万円になったとします。
その300万円が子どもの財産として適切に管理されているのであれば、運用益が増えたこと自体を理由に、親から子どもへの新たな贈与が発生するわけではありません。
ただし、NISAの非課税措置には制度上の条件があります。ジュニアNISAと2027年からの未成年者向けNISAでは制度内容も異なるため、口座の種類や保有商品の取り扱いを確認しましょう。
また、NISA口座以外で得た利益や、非課税措置の対象外となる収益については、別途課税される場合があります。
2027年からの未成年者向けNISAでも贈与税の考え方は同じ?
2027年1月から、0~17歳の未成年者もNISAのつみたて投資枠を利用できるようになります。
金融庁の案内によると、未成年者向けの年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円です。
ただし、NISAの投資枠と贈与税の基礎控除は別の制度です。
例えば、年間投資枠の範囲内で投資していても、ほかに受け取った贈与があれば、贈与税の判定に影響する可能性があります。
反対に、NISAの投資枠を使い切っていないからといって、贈与税の基礎控除が自動的に増えるわけでもありません。
NISAの投資枠と、贈与税の年間110万円の基礎控除は、分けて考えることが大切です。
制度の詳細は、金融庁のNISA特設ウェブサイトで確認できます。
まとめ:子どもにNISAの資産を渡すときは、贈与の実態を確認しよう
子どものNISAと贈与税について、重要なポイントを振り返ります。
- 子どもへの受け渡し時: すでに子どもの財産となっている資産を本人が管理するようになるだけなら、原則として新たな贈与税はかからない
- 資金を渡すとき: 暦年課税では、年間110万円の基礎控除を超える贈与に注意する
- ほかの贈与: 親や祖父母など複数の人から受け取った贈与は、原則として合算して考える
- 名義預金: 子ども名義の口座でも、贈与が成立しているか、誰の財産として管理されているかが重要
- 運用益: NISAの非課税措置の対象となる利益は非課税だが、制度上の条件を確認する
NISAの資産を子どもの将来に役立てるためには、投資制度だけでなく、贈与税の仕組みも理解しておくことが大切です。
不安がある場合は、国税庁の情報を確認し、必要に応じて税理士などの専門家に相談しましょう。
※本記事は一般的な税制・制度の情報を提供するものであり、個別の税務判断を行うものではありません。
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